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ガソリンスタンドにガソリンのない国フランス

 コロナも落ち着いて?! やっと日本からも観光客が入りはじめたフランス。コロナの後はウクライナ、ロシア問題、そして目下話題の集中はどこの国も【エネルギー問題】

 

 今日日曜日はブログを書く時間がなかったはずなのに。。友達が遠くから遊びに来てくれる、とても楽しみな日曜日だったのに。。。

 

 昨日、友達からの電話。”明日は遊びにいけないわよ。ガソリンスタンドにガソリンがないのよ。”

 

 目下のところ、最大の原因は、フランス最大手石油会社 トータルエネジーズ(Total Energies) の製油所での組合員のストライキ。製油所がブロックされると、フランス全土のガソリンスタンドにガソリンを供給することはできません。

 

 街の中央に住む友達のアパートの窓からは毎日交通渋滞がみえます。それが、車が通ってないとか!

 

 実は私の方は3週間ほどまえに田舎暮らしをはじめ、街に住んでいたらすぐにキャッチできた光景が、今では長年憧れていた、「窓からは山が見える」、「車のクラクションではなく、鳥のさえずりが」、「街のネオンではなく、満点の星空」なところに引っ越したばかり。

 

 友達の話を聞いても、”確かに数日前、家から一番近い街の近くのガソリンスタンドで長蛇の列ができて、1リッターあたりの料金も日本円で三百円(ちなみに私の車はディーゼルです)を超えているのをみかけたけど、またか(コロナ以来、しょっちゅうガソリン、エネルギー危機情報が主役のメディア情報はフランスも同じ)と、とてもとても気楽に考えていました。

 

 あと、都市部と田舎の違いもあると思います。実際私は1週間前にガソリンを入れたばかり。その時は長蛇どころか、ガソリンスタンドはガラガラ。何も問題がありませんでした。しかし都市部ではすでに2、3週間前から長蛇傾向があったのだとか。

 

 それにしてもフランスといえばストライキ。と外国人にまで定評を得る、フランスのストライキ事情。秋は特に、ストライキシーズンと、”きのこ”や”栗”のシーズンと同じ、季節行事。フランス鉄道SNCF、学校、郵便局といった公務員のストライキはメインの顔ぶれですが、

 

 ・高校生のストライキ (給食の質をあげろ!)

 ・移民のストライキ (差別をなくせ!)

 ・看護婦のストライキ (疲れた!)

 ・農業従事者のストライキ (これは炎上は必死でかなり過激です。)

 

などなど、、、

 ストライキの種類の豊富さもフランスならではといえます。。。

 

 フランス人は生まれたときに発生するはじめての言葉が”NON!”と小馬鹿にされるほど、”NON!”が好きな人種というのは事実。それを考えると、日本人は真逆。意味がわかっていなくても、”とりあえず、YES”風潮な日本人。

 こんな背景から、フランスでは”ストライキ”を正当化する風潮とまたストライキの”権利”を法律で認める国でもあります。

 

 しかし、今回のトータルエネジーズのストライキはちょっとやっかいです。トータルの職員はフランスの給料体系からしてもかなりエリート。現在世界での共通語ともなっている、”歴史的な物価高”インフレ”の影響をほぼ受けないエリートたちによるストライキ。ガソリンがなくては働きにいけない多くの庶民からしたら”むかつく”光景なのです。

 

 フランスでは全体人口からすると、ほぼ15パーセントの人口が人が最低賃金(SMIC Salaire minimum interprofessionnel de croissance)で働いています。2022年現在のSMICは月額、税抜で1302,64ユーロ。正社員ですが、日本のような数ヶ月分のボーナスというシステムはありません。大手の社員でも12月に1ヶ月分ボーナスがでるというかんじです。

 

 他のフランス人友達が電話で鼻息を荒くして語ります。

 

”だいたいトータルの社員なんか、平均でも月給が4000ユーロ以上あって(フランスでは月給4000ユーロは高所得者層とみなされます。)物価高騰なんて関係ないくせに、高額ボーナス要求(6000ユーロほど)して、来年1月からは給料7%アップ要求、ふざけんじゃないわよーーーー!”

電話口から飛沫が飛んできます。

 

 多くの人が車がなくては職場にいけないフランス。

自然好きなフランス人。秋もたけなわな今、通常なら私の家の前の通りは、山登り、栗拾い、狩猟(秋は狩猟解禁のシーズン)ツーリングなどなどで車の音が聞こえるはず。それがまったく車が通っていない!

 

 今週末のフランスは特別です。明日月曜日、出社ができるようにガゾリン消費を控えて、外にでず、静かにことの成り行きを家でみているようです。

 

 フランス政府も今回のストライキが、ただでさえ物価高で生活の質に不満を訴えている多くのフランス人が、さらに貧窮しないように躍起に対抗手続きをしています。

 

 さあ、今週どうなるか。私のガソリン持分も半分になっています。。。。